みちくさ

2015年7月8日(水)

大佐和さんのアンスリウム

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先週末、産地見学に行ってきました。 何件かお邪魔させていただいたのですが、まずは出荷減少が7/20頃に迫っているアンスリウムの生産者、大佐和花卉園さんをご紹介したいと思います。 大佐和さんは国内でも3件ほどしかいない国産切花アンスリウムの数少ない生産者さんで、千葉県富津岬の近くで約20品種のアンスリウムを生産されていてこの業界ではとても有名な方。お客様からの評判もとても良い高品質なアンスリウムを生産されています。 IMG_2195.JPG お父様の代からアンスリウムを生産されており、ご本人もハワイへ研修に行きアンスリウムのノウハウを学んでこられました。 まず案内してくれたのはその日の朝に採花したアンスたちが居る場所。 IMG_2192.JPG これでも少ない方だということでびっくりしちゃいました。大佐和さんの規準は外国の基準と違い(外国は花の横幅のサイズ)、花の横幅ではなく縦のサイズで選別されています。 7~9cm Sサイズ 16本入り 9~12cm Mサイズ 16本入り 12~15cm Lサイズ 12本入り 15~18cm 2Lサイズ 7本入り 18~20cm以上 3L(XL)サイズ 5本入り アンスリウムはステムが伸びずらい品目で、40~50cmがほとんどで、70cmクラスはとても稀です。昨年から作り方を変えて、あと10cmほど長く出荷できないかためしていらっしゃいます。 さて、ハウスへ行きましょう! IMG_2205.JPG ハウスはお父様の代より使っているハウスで約50年物。カーテンを閉めたり開けたりするのも全て人の手で行っています。 アンスリウムはサトイモ科でシダなどと同じ生息域の植物なので日が当たり過ぎてもダメ。なのでハウスの中にも遮光カーテンがあり、ハウスの外側ももう一枚カーテンをはっています。また、日本の様な長い湿度がとても苦手で、梅雨時期の今はシミも出やすくなってしまうそうです。ハウスの温度は冬場でも16~17℃はキープ。品種によってハウスの温度を一度刻みで管理しています。 IMG_2204.JPG 株元を覗いてみるとなんと、一株一株鉢植えです。これは、7年前オランダから入って来たキサントモナスというハワイでも全滅をくらったという恐ろしいアンスリウムの病気があり、それに万が一感染してしまった時の対策です。この病気、厄介なのは治療手段が見つかっていないこと。以前、ハウス全体がだめになってしまったことがあるらしく、万が一感染してもその株だけで被害が収まるように今の形にしたのだとか。 IMG_2207.JPG 上は全部同じ品種ですが、株の年数が違います。左から定植から10年目、1年目、3年目の株です。アンスリウムは定植して5年経たないと出荷できる品質にはなりません。年間で1株から約7本程度しか切れません。大きい品種は4,5本が限度です。採花のタイミングは芯の部分の先端の色が変わっている所が人差し指一本分になったころ。う~ん、さすが細かい!まさか、そこで採花のタイミングをはかっているとは思いませんでした。 いいアンスの見極め方は軽く茎を振って頂いてフラフラしてないで首が硬いものを選ぶといいそうです。確り水が上がっている証拠。また、芯が(実はお花の部分)がつるつるなものがまだつぼみの状態で、この部分がブツブツなものが花が咲いている状態です。 また、花の大きさは葉に比例します。葉が大きく展開したものから伸びた蕾は大きな花を咲かせますが、葉が小さいと花も小さくなるそうです。いい例が下の写真。 IMG_2210.JPG プレミアという品種です。上の大きい花も下のピンクの小さい花も同じ株から咲いたプレミアです。一見、違う品種かと思っちゃうほどお花の大きさも色も違う。大きなものも小さなものもサイズを分けて出荷します。 そして、アンスの切葉も出荷されています。 ↓シロシマウチワ(正式名称:クラリネベリウム) この品種は丈が短い品種ですので、長いのが欲しいと言われてもなかなかその要望にはこたえられないという事です。 IMG_2221.JPG 花はキレイにふきながら選別しワックスを掛けて出荷していますがシロシマも同じ様にワックスがけします。大佐和さんいわく「車と同じだよ」。 IMG_2211.JPG IMG_2212.JPG ぴっかぴか!! もちろん、植物用のワックスでお化粧してあげています。 IMG_2213.JPG 見た目ももちろんですが、このワックスには暖房下でもチリチリになるのを防ぐ効果もあります。 そして箱づめ作業を見せて頂きました。 花の向きを考えてそっと置き、足りないところにクッション材を詰めます。 IMG_2229.JPG 交差させ IMG_2230.JPG テープで留めます。 IMG_2231.JPG お客様には花を取り出すときに手間になってしまうかもしれないけど、数か所テープでとめさせて貰っていますとおっしゃっていました。アンスリウムは少しの衝撃で傷が付いてしまうとても繊細なお花。輸送時の横揺れ、縦揺れに配慮した箱詰めがされていました。 この箱詰めしてもらったのは、このたびメンバーが1本づつ選んだ品種です。私は新品種だという「ロックセット」を選ばせて頂きました。 IMG_2242.JPG 珍しい赤紫のアンスリウムです!この色にはビックリしました。カタログも貰ったのですが、この色は写真では上手に撮れないみたいで、カタログ上だとピンク・・・。この写真は少し本物に近い色でとれたと思います♪ ロックセットは店舗にてサンプル展示していますので、ご覧頂ければと思います。ザフィラというハートの下の方のとがった部分がピンクでまあるい部分がグリーンのグラデーションのアンスも桃みたいでかわいかった♪これは持って帰ってきてないので、カタログにてご覧ください。 そして、最後にアンスの管理方法です。 アンスは10℃以上のそこそこ涼しい場所で管理して下さい。冷蔵庫(ストッカー)は避けて下さい。また、大佐和さんのアンスリウムはしっかりと水あげしてから出荷されているので、ぶっちゃけ2,3日ならキャップを付けたままの状態で大丈夫だという事です。また、水あげは水道水が一番いいという事です!これはお財布に優しいですね♪ 下の品種は来年から出荷予定のマキシマヴィオレッタ。とってもかわいかった♪ IMG_2217.JPG なお、アンスは日本の夏の暑さには実はそんなに強くない植物です。夏の間は株をお休みさせるため今季の出荷は7/20頃より大きく減少です。それ以降はちょろちょろ出荷となり、秋以降に少しづつ増加してきます。 大佐和さんのアンスリウムは芯の部分も立っていて立体感があり素晴らしくキレイです。この立体感は外国産にはありません。今季の出荷はあと少しですが、ぜひともお使い頂きたいです!

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