まもなく東京盆入りです。
ところでお盆とお彼岸の違いを御存知ですか?
お盆もお彼岸も故人を偲んでお墓参りをする日ですね。じゃあ何が違うのかというと、諸説ありますが、簡単に言っちゃえば故人が現世に帰ってくるかこないかの違いなんです。
現世に帰ってくるのが「お盆」。
なので迎え火をして御先祖様を迎え、送り火をしてお見送ります。
じゃあ「お彼岸」は?
「彼岸」とは「むこう岸」、いわゆる極楽浄土のことをさします。極楽浄土は西方十万億土にあると言われています。
なので、太陽が真東からのぼり真西に沈む春分の日と秋分の日は極楽浄土の位置がハッキリと解かる日なんです。だからお彼岸は年に2回あります。
はじめは浄土宗の人たちだけの信仰でしたが、あまりにも戦乱が長く続くため、現世で報われないのならせめて死んでから此岸(この世)から彼岸(極楽浄土)へ行けるようにと春分の日と秋分の日に行いを慎み西方に向かって願う事が人々の間で広まりました。これが「お彼岸」の始まり。なので、ご先祖様は帰ってこないというわけです。
現在では、彼岸にいるご先祖様の供養をと、お墓詣りするのが習慣となりました。
話は戻って、今目の前にせまっているのは「お盆」です。
一般的に7月15日は東京盆、8月15日は東京以外でのお盆となります。
そしてここでも疑問が。何で東京だけ7月なんだろう。
伝統的には旧暦の7月15日に当たる中元節の日に行われていましたが、現在は地域によって異なっています。8月15日(月遅れの盆)を中心として行うところが多いですが、東京など関東圏の一部では7月15日を中心に行われています。
東京と地方とで盆の時期をずらすことで、縁者一同が集まりやすくなり、皆でゆっくり先祖の供養をするために、このような形が定着したといわれています。農作業が忙しい時期を避けるために、東京と地方とで盆の時期がずれたとする説も。お盆の最初の13日を「迎え盆(お盆の入り)」、最後の16日を「送り盆(お盆の明け)」といいます。
また、お盆でお供えするお花は一般的に菊。この季節に長持ちするお花というだけではなく、古来より天皇家や著名人がこよなく愛し、家紋などにも使われている由緒正しいお花で国の象徴でもあるお花です。
また、鬼灯は字面やその姿からも想像できるとおり、迎え火や送り火の代わりとして飾られるようになったといわれています。
そして蓮の花や葉は仏様を象徴するお花です。
ついでにいうと、各地で夏場に花火大会が多いのも、はじめは疫病で死んでいった人たちを供養するために行われたのが始まりといわれています。夏場はものが腐りやすいですから、冷蔵庫などがない時代には夏場に食中毒や疫病のどで亡くなる方も多かったそうです。
東日本大震災の年も故人を偲んで東北沿岸では次々と花火が打ち上げられたというニュースもありました。
夏場に怪談やおばけの話がよくでるのも、故人が一斉にきゅうりの馬に乗ってあの世からこの世へきているので霊感の強い人にはそれがみえるのかもしれませんね。
と、いうことで。
今の自分があるのもご先祖さまあってのこと。自分のルーツでもある御先祖様と大切な故人を偲びましょう。いつか、自分たちも極楽浄土へ行けるようにと日々の行いを改めながら・・・。


